ブログ・コラム 札幌の税理士 溝江 諭 の 『一筆啓上』

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≪消費税の軽減税率は必要か?≫

2015.12.8
 
 札幌市南区の 税理士・社会保険労務士 溝江 諭(みぞえさとし) です。
  
 最近、新聞やテレビで消費税の軽減税率のことが話題になっていますが、公明党が消費税率引き上げの際の公約だとして自民党に対して一歩も引かない様子です。
 
 そもそも消費税の軽減税率は消費税という税体系が持つ逆進性、すなわち低所得者ほど消費税に対する負担感が大きくなるので、これを緩和しようとするもののようです。そうであるならば、課税の公平を促進するためのひとつの方法ということになりますが、課税の公平を消費税という税の中だけで行おうとしてもあまり意味があるとは思われません。
 
 もっと大きな税体系の中で課税の公平を目指すべきです。例えば現役の所得に対する所得税や所有資産に対する不動産取得税、固定資産税、自動車税や相続財産に対する相続税などで課税の公平を目指すほうが理にかなっているといえます。
 
 しかし、税体系の中だけで公平を目指してもまだ不十分です。本当に必要な政策は所得の再分配だからです。すなわち、国民の誰もが幸せに暮らせるように、富める者から貧しい者への所得の移転を促進することのはずです。所得税にしろ相続税にしろこれらの税を負担していない者はその税体系の下では所得再分配の恩恵を受けることができません。このような場合は社会保障の政策が必要とされます。
 
 すなわち、税の体系と社会保障の体系の両者を適切に設計し直して、所得の再分配を図ることが必要になるわけです。
 
 本来、消費税率の引き上げはこのような税と社会保障の一体改革を目指す中での一つの手段に過ぎなかったものです。それがいつの間にか消費税の中だけの問題にすり替えられ、矮小化されてしまっているように感じます。
 
 自民党と公明党には再度、初心に帰って、所得の再分配を促進するために、税と社会保障の一体改革をぜひ目指してもらいたいと思うのは私だけでしょうか。
 
 See you next!


 
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  TKC全国会会員
  税理士・社会保険労務士・行政書士 溝江 諭 KSC会計事務所
      Tel  011-374-5992 http://www.ksc-kaikei.com/
 
            札幌学院大学 客員教授 税務会計論担当(学部)
                            税務会計論演習担当(大学院)
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