ブログ・コラム 札幌の税理士 溝江 諭 の 『一筆啓上』

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≪法人税等の税務調査の事績公表≫

2018.1.23
 
 札幌市南区の 税理士・社会保険労務士 溝江 諭(みぞえさとし) です。
  
 国税庁から平成28事務年度における法人税等の税務調査の事績が公表されています。
 
 それによると、法人税では97千件の実地調査を行い、そのうちの約4分の3に相当する72千件で非違が見つかり、申告漏れ所得金額は8,267億円、追徴税額は1,732億円、調査1件あたりの追徴税額の平均は1,788千円となっています。
 
 同様に法人消費税では93千件の実地調査を行い、そのうちの約6割に相当する55千件で非違が見つかり、追徴税額は785億円、調査1件あたりの追徴税額の平均は1,915千円となっています。なお、調査による追徴税額には地方消費税(譲渡割額)が含まれています。
 
 さらに無申告法人に対する法人税の実地調査の状況も出ており、そこでは2,623件の実地調査件数に対して意図的な無申告件数363件、追徴税額は63億円、調査1件あたりの追徴税額の平均は2,751千円となっています。
 
 それにしても非違件数の多さに驚かされます。実地調査件数に対して法人税で約7割5分、消費税で約6割もあるというのです。課税庁では税務調査の対象法人は主に「大口、悪質な不正計算が想定される法人」を選定しているとのことですが、そうとは言え、実地調査件数の半分以上に非違が見つかるということは想像を上回るものでした。
 
 ただ、非違といっても故意に行った脱税もあれば、解釈適用を誤った計算違い、単純な記入ミスなどもあるでしょうから、非違件数全体が悪質なものを意味しているとは言えないでしょう。
 
 どのような非違があったのかもっと分かりやすい説明があると納税者や税理士にとってもありがたいのですが、残念ながらそこまでは分かりません。
 
 この公表資料が納税者や税理士に対する今後の納税意識の向上を目指す情報提供を意味するものであるならば、この点はぜひ改善してもらいものです。
 
 ただ、それにしても非違がこんなに多いということは税法自体にも改善すべき点がないかどうかを国は謙虚に検討すべきででしょう。
 
 例えば、納税者の税金に対する理解を深めてもらうためにもっと易しい言葉で条文を書くように工夫したり、納税者の選択の幅を広げるために税法独自の各種既定の適用要件を緩和したり、納税者の担税力を考慮して欠損金の繰越期間を無制限にすることなど検討すべきことはたくさんありそうです。

 See you next!
 


 ※ 平成28事務年度法人税等の調査事績の概要
 
  
 
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  TKC全国会会員
  税理士・社会保険労務士・行政書士 溝江 諭 KSC会計事務所
      Tel  011-374-5992 http://www.ksc-kaikei.com/
 
            札幌学院大学 客員教授 税務会計論担当(学部)
                            税務会計論演習担当(大学院)
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