ブログ・コラム 札幌の税理士 溝江 諭 の 『一筆啓上』

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≪納税者の権利救済の実態と勝率は?≫

2021.2.15
 
 札幌市南区の 税理士・社会保険労務士 溝江諭(みぞえさとし) です。
 
 税務署長などが行った課税処分や滞納処分に不服があるとき、納税者にはどのような権利救済の手続きがあるか御存知ですか?
 
 国税には、次のような救済手続きが用意されています。
 
① 税務署長等に対して行う異議申立て
 
 納税者の正当な権利や利益を簡易かつ迅速に救済するための手続であり、裁判所に訴訟を提起する前に行う「不服申立て」の一つです。処分があったときから2か月以内に行う必要があります。
 
② 国税不服審判所長に対して行う審査請求
 
 ①と同様の「不服申立て」の一つです。審査請求は、原則として異議申立てを行ってからでないとすることができません。税務署長等の異議決定ががあったときから1か月以内に行う必要があります。
 なお、審判所の裁決によって、納税者が本来の処分より不利になることはありません。また、その裁決は、行政部内における最終判断とされるため、行政を担う税務署長等は、その裁決に不服があったとしてもこれに従わざるを得ず、訴訟に持ち込むことはできません。つまり、納税者が勝つとそれで確定となり、税務署長等はそれに従わざるを得ないのです。
 
③ 裁判所に対しての訴訟
 
 審査請求に対する裁決になお不服があるときは、裁判所に対して訴訟を提起して司法による救済を求めることができます。訴訟は裁決があったときから6か月以内に行う必要があります。なお、我が国の裁判は三審制度であり、まず地方裁判所、次に高等裁判所、最後に最高裁判所で戦うことになります。
 なお、地方裁判所で納税者が勝っても、納税者は安心できません。国はその上の高等裁判所、最高裁判所まで戦うことがあるからです。このため、裁判は長期化する傾向にありますので、納税者には戦い続けるという強い決意が必要とされます。
 
 
 令和元年の訴訟の状況は次のようになっています。(注1)
 
① 訴訟
 
 終結件数は216件であり、このうち納税者の請求の全部又は一部が認められためられたは21件で約9.7%の割合となります。国側の敗訴割合は前年度3.4%から6.3ポイントも増加しました。納税者の大幅な勝率アップとなったわけです。
 その背景には、更正などの処分において課税庁は納税者に対してそれだけ強引なことを行なった事実が存在したといえます。
 
 さて、以上のような法的な権利救済手段に至ることなく、納税者と課税庁との話し合いの上で、納税者に有利な結末を迎えた例もたくさん存在します。それは、納税者の強い意思と税務代理人である税理士の強固な法的理論構成力による賜物です。
 
 基礎からしっかり勉強している税理士ならば、納税者の主張を法的に理論構成し、交渉シナリオを作成した上で、課税庁との交渉に臨み、納税者の主張を展開します。
 「課税の公平などの税法の精神から外れた」納税者や税理士などの独断的な主張は論外ですが、納税者の方は自分の権利を擁護してくれる、そのようなしっかりした税理士を顧問に据えるべきです。

 
 それでもなお、課税庁が理不尽な処分をしてきたときは、上記の権利救済手段に訴えましょう。
 
 
 当事務所では、善良な納税者にとって大きな精神的・経済的負担となる「税務調査」自体をできるだけ回避するため、「書面添付」制度を活用しています。 
 
http://www.ksc-kaikei.com/use/
 
 また、税務調査時の税務署からの指摘事項の中に、誤りや無理難題があると当事務所が判断したとき(ほとんどはこのケースに該当しますが)は、安易な妥協はしません。税法の該当条文とその趣旨、会計基準、会計慣習等を根拠として、納税者であるお客様の権利を守るため徹底的に戦います。これも顧問税理士としての重要な使命と考えているからです。 
 
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(注1)令和元年度における訴訟の概要
  
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  TKC全国会会員
  税理士・社会保険労務士・行政書士 溝江 諭 KSC会計事務所
      Tel  011-812-1672 http://www.ksc-kaikei.com/  
 
          札幌学院大学 客員教授 税務会計論担当(学部)
                         税務会計論演習担当(大学院) 
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