ブログ・コラム 札幌の税理士 溝江 諭 の 『一筆啓上』

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≪ 東日本大震災のお見舞い ≫≪ 「義援金」の 課税関係について ≫

2011.3.16

 札幌市豊平区の 税理士 溝江諭(みぞえさとし) です。


 平成23(2011)年3月11日(金)午後2:46に起きた「東日本大震災(マグニチュード9.0)」、その直後に発生した大津波に因る被害は日が経つに連れ深刻さを増し、かってないほどの悲惨な状況を呈しています。テレビや新聞による報道を見ると驚愕すべき映像や写真が毎日流されています。私がかって何度か旅した美しい三陸地方。そのとき通過したいくつかの町はほぼ壊滅したようです。
 
 さらに、追い打ちをかけるような東京電力・福島原発での深刻な原子炉事故。想定外の悪条件に次々に襲われ、人類史上未経験の異常事態が次から次へと発生しています。事故鎮圧のため、現場では限られた対策を限られた人員で必死にこなしている現状ですが、時々刻々と状況が悪化しつつあります。
 
 亡くなられた方々に対してはご冥福を祈るとともに、被災に遭われ、怪我をされた方、避難所で不自由な避難生活を余儀なくされている方々に対しては謹んでお見舞い申し上げます。また、一刻も早く、原発事故が最少の被害で収束することをお祈りします。

 
 このような状況の中、被災した方々のために何かできることはないかと思いを馳せている方が沢山いらっしゃることでしょう。私も同様です。しかし、今の私にできることはせいぜい義援金を送ることだけです。そこで、今日、郵便局から日本赤十字社へ義援金を送金してきました。
 
 日本赤十字社への義援金の振込先は次の通りです。なお、私が送金した郵便局では振込先記入済みの振替用紙が事前に用意されていました。送金手数料はかかりません。被災された方々が今後、人生を立て直すためには沢山のお金と多くの励ましが必要となります。
 
 そのためには、ひとりでも多くの国民や世界中の人々が義援金を送金することを願っています。あなたの友達、知人や縁者の方々にもぜひこのことをお伝えください。私からのお願いです。なお、このブログをそのまま転送してもらっても結構です。 
  
  口座番号  00140-8-507
  振 込 先  日本赤十字社 東北関東大震災義援金
 
 
 ファイル 88-1.jpg
 
 
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 さて、そこで今日は 「 震災義援金の課税関係と仕訳 」 についてお話ししましょう。
 
 法人または個人が、今回の大震災に際して、募金団体に義援金等を寄附する場合、その義援金等が最終的に国、地方公共団体に拠出されるものであることを税務署が確認できれば、「国等に対する寄附金」として、税制上の特典を受けることができます(注1)。そのためにも、直接、日本赤十字社へ義援金を送金した方が良いですね。
 
 さて、義援金の課税関係についてです。
 
 法人と個人では課税関係が違ってきますので、それぞれの場合に分けて説明しましょう。
 
 
1 法人の場合
 
 国または地方公共団体に対する寄付金とされ、その公益的性格により、全額が損金に算入されます(法人税法37条3項1、2号)。これにより、今期の法人の所得が黒字の場合には節税となります。節税の対象となる税目は、①法人税、②法人都道府県民税、③法人事業税、④法人市町村民税の4つです。所得が黒字の場合に節税となる金額は、最低でも寄付金の金額の30%、黒字が多くなると40%程になります。
 
 なお、他の一般の寄付金や特定公益増進法人等に対する寄付金のように「損金算入限度額」を計算する必要がありません(法人税法37条1項、同条3項3号)。
 
 仕訳は次の通りです。
 
    寄付金 (消費税は課税対象外) / 現預金
 
 
2 個人の場合 次のⅰとⅱから選択できます。
 
ⅰ 国または地方公共団体に対する寄付金とされ、「寄付金控除」として所得控除の対象とされます。これにより、寄付金控除前の課税所得が黒字の場合には節税となります。節税の対象となる税目は、①所得税、②個人都道府県民税、③個人市町村民税の3つです。但し、翌年に確定申告が必要となります。
 
 所得控除額は次のように計算されます(所得税法78条、震災特例法8①)。
 
  寄付金控除額 = (震災関連寄付金以外の特定寄附金の合計額 + 震災関連寄付金の合計額) - 2千円
 
(注) 震災関連寄附金以外の特定寄附金の額の合計額は、所得金額の40%相当額が限度です。
   震災関連寄附金以外の特定寄附金の額と震災関連寄附金の額の合計額は、所得金額の80%相当額が限度です。

 
 個人の場合、仕訳は不要です。なぜならば、寄付金は「所得控除」項目であり、事業所得等の「必要経費」項目ではないためです。つまり、寄付金は事業所得等の収入を獲得するために必要な経費とは認められていないのです。
 
ⅱ 特定の寄附金では、次の金額を税額から控除することもできます(震災特例法8②)。ただし、所得税の25%相当額が控除限度となります。この場合も、翌年に確定申告が必要となります。
  
  税額控除額 = (特定震災指定寄附金の合計額 - 2千円 )× 40%
 
 (注) 特定震災指定寄附金とは次のものです。
  ① 社会福祉法人中央共同募金会の「災害ボランティア・NPO活動サポート募金」として直接寄附した義援金等(平23.3.15財務省告示第84号)
  ② 認定NPO法人に対し、東日本大震災の被災者支援活動に特に必要な費用に充てるために行った寄附金(その募集に際し、国税局長の確認を受けたものに限ります。)(平23.3.15財務省告示第84号、平23.4.27財務省告示第143号により追加。)

  特定震災指定寄附金の額の合計額は、所得金額の80%相当額が限度です。
  ただし、その年中に「震災指定寄附金以外の特定寄附金の額」がある場合には、所得金額の80%相当額から震災指定寄附金以外の特定寄附金の額を控除した残額が限度となります。
 
 
  
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 震災見舞金や弔慰金を従業員等へ支払ったときの課税関係と仕訳はどうなるのでしょうか?
 
 
 以下の記事をご覧ください。
  
 ≪ 震災「見舞金」「弔慰金」の課税関係と仕訳 ≫
 
 
 http://www.ksc-kaikei.com/blog/index.cgi?no=90
 
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 被災取引先への見舞金や売掛金などを免除したときの課税関係はどうなるのでしょうか?
 
 
 以下の記事をご覧ください。
  
 ≪ 被災取引先への見舞金や売掛金免除等の「支援」の課税関係 ≫ 
 
 http://www.ksc-kaikei.com/blog/index.cgi?no=91
 
 
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「お知らせ」のご案内
 
① 給与の「源泉所得税の計算」について
 
≪給与の源泉所得税を正しく控除していますか?≫ その1
 
http://www.ksc-kaikei.com/news/index.cgi?no=83
 

② 自動車や自転車などを使って通勤する場合の通勤手当。通勤距離によって非課税限度額が異なります。いくらか御存知ですか?
 
≪交通費や通勤手当、非課税はいくらまで?≫  
 
http://www.ksc-kaikei.com/news/index.cgi?no=85 
  
 その他の『ちょっとためになる情報』は、次のサイトの「お知らせ」でどうぞ!!http://www.ksc-kaikei.com/ 
  
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(注1)募金団体を通じた義援金等に係る税務上の確認手続きについて(国税庁)
http://www.nta.go.jp/sonota/sonota/osirase/data/h23/gien/index.htm

 
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  TKC全国会会員
  税理士・社会保険労務士・行政書士 溝江 諭 KSC会計事務所
      Tel  011-812-1672 http://www.ksc-kaikei.com/  
 
          札幌学院大学 客員教授 税務会計論担当(学部)
                         税務会計論演習担当(大学院) 
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