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(税務)≪相続人の課税関係 消費税編 その2 課税対象はどこまで?≫

2012.3.23
 
 札幌市豊平区の 税理士 溝江諭(みぞえさとし) です。
 
 今日は相続人の課税関係について、消費税編のその2です。
 
 ファイル 151-1.jpg
 
 前回は、亡くなった方(被相続人)が消費税の課税事業者であった場合、事業を引き継いだ相続人の消費税の課税関係のうち、
 
1 免税だった相続人が課税事業者となるのはいつからですか?
相続のあった年から、それとも翌年から?
2 亡くなった方が簡易課税だった場合、相続人は簡易課税を引き継ぐことができるのでしょうか?
 
という点について解説しました。以下の記事をご覧下さい。
 
 ≪相続人の課税関係 消費税編 その1 いつから課税事業者?≫ 
 
 http://www.ksc-kaikei.com/news/index.cgi?no=150
 
 
 今回は、亡くなった方(被相続人)が消費税の課税事業者であった場合において、事業を引き継いだ相続人の消費税の課税関係についての2回目です。 
  
 
3 過去に免税だった相続人が申告する場合に、課税売上となるのは引き継いだ事業に関するものだけ、それとも他にも対象とされるものがあるのでしょうか?

 
 これまで免税であった相続人が相続により課税事業者となった場合において、消費税の申告に際し、課税売上とすべき取引は引き継いだ事業に関するものに留まりません。その事業以外にも本来の課税売上となるものがあればそれらはすべて計算対象とされます。
 
 相続の年における申告すべき課税売上高は次のように計算します。
 
 相続の年における申告すべき課税売上高 
 
 = 引き継いだ事業に関する相続後の課税売上高
      + 引き継いだ事業以外における相続後の課税売上高
 
例えば、消費税の課税事業者であった父がこれまで小売店を経営しており、その息子がテナント付きアパートを賃貸していた場合を考えてみましょう。父が亡くなった場合には、次のように計算します。(消費税においては、アパートの賃貸部分のうち居住用は非課税ですが、テナント用は課税対象とされるのでテナント家賃は課税売上となります。)
  
 相続の年における申告すべき課税売上高 
 
 =  父から引き継いだ小売店の相続後の課税売上高
       +  息子のテナント家賃のうち相続後の部分
 
このように、引き継いだ事業に留まらず、相続人の本来の事業に関する相続後の課税売上高も消費税申告の対象となります。この部分の計算を忘れないようにしましょう。ご用心。
 
 
4 相続の翌年以後の課税事業者の判定はどのように計算するのでしょうか?
 
 相続があった年の翌年と翌々年においてはそれぞれその2年前の基準期間の課税売上高の金額で課税事業者の判定を行なうことになります。この場合の課税売上高は、亡くなった方の課税売上高と相続人の本来の課税売上高とを合計して計算します。つまり、以下のようになります。
 
① 相続があった年の翌年における基準期間(2年前、すなわち相続があった年の前年)の課税売上高
 
= 亡くなった方の相続前年の課税売上高
     + 相続人の相続前年の本来の課税売上高
 
② 相続があった年の翌々年における基準期間(2年前、すなわち相続があった年)の課税売上高
 
亡くなった方の相続の年の課税売上高(1月1日から相続の日まで)
     + 相続人の相続の年の本来の課税売上高(1月1日から年末まで
 
この場合には、前記の「相続の年における申告すべき課税売上高」と計算式が微妙に違っていることに注目してください。どこが違うのかというと、相続の年における申告すべき課税売上高の計算では第2項が相続人の課税売上高のうち相続後の部分であったものが、ここでは、相続人の相続の年の1年間の課税売上高となっている点です。すなわち、相続人の課税売上高の計算期間が異なっているのです。要注意!!
 
 
 基準期間の課税売上高を以上のように計算し、それが1千万円を超える場合には、相続があった年の翌年又は翌々年は課税事業者とされ、消費税の納税義務が発生することになります。(なお、平成25年1月からは「特定期間の判定基準」(注)が新設、適用されますが、ここでは省略します。)
 
 このように、消費税に関して、相続人は今まで免税であったからといって安心できません。基準期間の課税売上高の金額によっては、相続人が自動的に課税事業者の立場を引き継ぐこともあるからです。
 
 課税事業者となる場合で、かつ、消費税の納税額が多額になりそうなときは、法人の設立も検討するべきですね。法人にすると原則2年間消費税が免除されるからです。
 
 相続があった年の翌年又は翌々年の基準期間の課税売上高が1千万円以下の場合には、相続があった年の翌年又は翌々年は免税となり、納税義務が発生しません。
 
 なお、相続人が2人以上で、相続財産が未分割の場合は、各相続人が共同して被相続人の事業を承継したものとして取り扱われ、各相続人のその課税期間に係る基準期間における課税売上高は、当該被相続人の基準期間における課税売上高に各相続人の法定相続分に応じた割合を乗じた金額とされるので、これも注意を要します。
 
【関係法令通達】
消法10、消基通1-5-4、1-5-5
 
(注)特定期間の判定基準
 
 個人事業者のその年又は法人のその事業年度の「基準期間における課税売上高」が1,000万円以下である場合において、当該個人事業者又は法人(課税事業者を選択しているものを除きます。)のうち、個人事業者のその年又は法人のその事業年度に係る「特定期間(前半の6月間)における課税売上高」が1,000万円を超えるときは、当該個人事業者のその年又は法人のその事業年度については、事業者免税点制度を適用しない(消法9の2)。
 さらに、
 課税売上高に代替して、事業者がその特定期間中に支払った給与等の金額の合計額をもって「特定期間における課税売上高」が1,000万円超か否かを判定することができる(消法9の2③)。
 
 
 次回からは、所得税編となります。
 
 ≪相続人の課税関係 所得税編 その1 取得価額等は引き継ぎ?≫
 
① 相続人が取得した資産の取得価額と取得時期はどうなるのか?減価償却の方法も引き継がれるのでしょうか?
 
 http://www.ksc-kaikei.com/news/index.cgi?no=152
 
 
 所得税編 その2 は青色関係の引継ぎについてです。

② 亡くなった方の青色申告や専従者給与は引継がれるのか?
 
  
 お楽しみに!
 
  
 See you next!
 
 
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◎エコポイントをもらった場合の課税関係と仕訳はどうなるの?
 
 これで、あなたもエコポイントのエキスパートに!! 
 
  ≪ エコポイントの課税関係と仕訳 》 
 
 http://www.ksc-kaikei.com/news/index.cgi?no=118
 
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◎ 平成24年度の雇用保険料率はいくらになったのでしょうか?
 
 ≪『雇用保険料率』 平成24年度はいくらに?≫
 
 http://www.ksc-kaikei.com/news/index.cgi?no=146
 
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◎ 通勤手当の非課税はいくらまで?
  
 自動車、自転車を使って通勤する場合の通勤手当や徒歩の場合の通勤手当。
 交通機関を利用する場合と比べ非課税限度額が異なります。いくらか御存知ですか?
 
 ちょっと自信がないなー、とういう貴方へ
 
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  ≪交通費や通勤手当、非課税はいくらまで?≫ 基礎編
 
 http://www.ksc-kaikei.com/news/index.cgi?no=85
 
  
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  TKC全国会会員
  税理士・社会保険労務士・行政書士 溝江 諭 KSC会計事務所
      Tel  011-812-1672 http://www.ksc-kaikei.com/
 
            札幌学院大学 客員教授 税務会計論担当(学部)
                            税務会計論演習担当(大学院)
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