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(税務)≪給与の源泉所得税を正しく控除していますか?≫ その1 賞与以外の給与

 さて、今日は所得税の源泉徴収についてです。
 
  給与を支払うときに源泉徴収する所得税額は、支払の都度、「給与所得の源泉徴収税額表」を使って求めることになりますが、この税額表には、次の3種類があります。 
  
①「月額表」(所得税法別表第二)
②「日額表」(所得税法別表第三)
③「賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表」(所得税法別表第四)
 
 (お持ちでない方は、下の(注)「平成22年4月以降分」の「源泉徴収税額表」(国税庁)からダウンロードして下さい。)
 
 
  今回は賞与以外の「通常の給与」の源泉所得税について、正しい使い方をQ&A方式で見ていきましょう。使用する税額表は上記のうち、「月額表」と「日額表」です。
 
 
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Q1 「月額表」と「日額表」はどのように使い分けるのですか?
  
 この2つは給与の「支払い期間の違い」によります。
 
「日額表」は次の給与の場合に使用します。
  
①その日に支払うもの
②週給で支払うもの
③日割り計算で支払うもの
 
 一方、「月額表」はこれら以外の場合に使用します。具体的には
  
①月給
②半月ごとや10日ごとを支払う給与
③月の整数倍の期間ごとに支払う給与
などの場合です。
  
Q2 「月額表」にも「日額表」にも「甲欄」と「乙欄」がありますが、適用する場合の違いはなんですか?
 
 雇い入れた者から「給与所得者の扶養控除等申告書」をもらっている場合は「甲欄」を使用して税額を求めることができますが、この申告書をもらっていない場合にはそれよりもはるかに税額が大きくなる「乙欄」を使用して税額を求めます。
 例えば、独身で月給30万円(社会保険料等控除後)では、甲欄では8,250円の税額ですが、乙欄では51,800円の税額を徴収することになります。税額で6倍以上の差となります。
  
Q3 「日額表」には「甲欄」と「乙欄」の他に「丙欄」がありますが、この「丙欄」はどのような場合に使用するのですか?
 
 「丙欄」を適用できると、「乙欄」よりはるかに少ない税額で済みます。例えば、独身で日給1万円(社会保険料等控除後)のとき、乙欄では1日当り1,730円の税額ですが、丙欄ではわずか27円の税額で済みます。
 
 「丙欄」は「日額表」を使用する給与所得者のうち、次のいずれかに当てはまる場合に使用できます。
 
①雇用契約の期間があらかじめ定められている場合には、2か月以内であること。
②日々雇い入れている場合には、継続して2か月を超えて支払をしないこと。
  
 したがって、パートやアルバイトに対して日給や時間給で支払う給与については、あらかじめ雇用契約の期間が2か月以内と決められていれば、「日額表」の「丙欄」を使うことになりますが、雇用期間の延長や、再雇用のため2か月を超える場合には、契約期間が2か月を超えることとなった日から、「日額表」の「丙欄」を使えないため、「月額表」又は「日額表」の「甲欄」又は「乙欄」を使って税額を求めることになります。
 
Q4 税務調査で給与の源泉が問題となることがありますか?
 
 はい、ありますよ!注意しましょう!!
 
①正社員や2か月以上の契約でパートやアルバイトを雇った場合には、ひとり一人から必ず「給与所得者の扶養控除等申告書」をもらいましょう。これをもらわないで、「甲欄」を使用して税額を計算していると税務調査のときに「乙欄」で計算した税額を追徴される恐れがあります。
 
②時給や日給のパートやアルバイトを2か月を超えて雇ったにもかかわらず、「給与所得者の扶養控除等申告書」ももらわずに、その後も「日額表」の「丙欄」を使用して税額を計算していると税務調査のときに「乙欄」で計算した税額を追徴される恐れがあります。
 
 このような場合に雇った本人から追加の税額を改めてもらうことは困難な場合が多いでしょう。
 
 これらのことを避けるためにも源泉所得税を正しく控除することが大切になってきます。
 
Q5 源泉徴収税額表を使用するに当って他に注意すべき点がありますか?
 
 そうですね、次の点にも注意しましょう。
 
①源泉徴収の対象となる給与は非課税とされる「通勤手当等」の金額を除いて計算します。
 
②さらに、社会保険料の個人負担分を給与から控除している場合はこの部分(雇用保険料、健康保険料、厚生年金保険料など)の金額を除いた「社会保険料等控除後の給与等の金額」を計算した上で源泉徴収税額を求めることになります。
 
③給与の支給を受ける本人が障害者、寡婦、寡夫、勤労学生に該当するときはこれらのひとつに該当するごとに1人を本来の扶養親族等の人数に加算して「扶養親族等の数」を計算します。
 
④給与の支給を受ける本人の扶養親族等のうちに障害者に該当する人がいるときはその数を本来の扶養親族等の人数に加算して「扶養親族等の数」を計算します。
 
 
 そうそう、預かった源泉所得税は法定納期限までに必ず納付しましょう。納付が遅れると、不納付加算税と法定納期限の翌日から完納日までの期間について延滞税をとられますよ。要注意!!
 
注)不納付加算税や延滞税については以下の記事をご覧下さい。
「えっ、そんなに高いの! 『加算税や延滞税』の割合は・・・」

http://www.ksc-kaikei.com/blog/index.cgi?no=58
 
 次回は、
 
≪給与の源泉所得税を正しく控除していますか?≫ その2 賞与
 
の場合です。
 
 給与ソフトで自動計算している場合でも「検算」のため、計算方法を理解しておく必要がありますね。
 
 ある程度、分かっている積りの人も復習のためご覧下さい。新しい発見があるかも!?

http://www.ksc-kaikei.com/news/index.cgi?no=84  
  
(注)給与所得の源泉についての根拠条文等
(所得税法185、186、所得税法施行令308、309、別表第2~4、所得税法基本通達185-8)
 
(注)  「平成23年4月以降分」の「源泉徴収税額表」(国税庁)
 
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  TKC全国会会員
  税理士・社会保険労務士・行政書士 溝江 諭 KSC会計事務所
      Tel  011-812-1672 http://www.ksc-kaikei.com/
 
      札幌学院大学 客員教授 税務会計論担当(学部)
                      税務会計論演習担当(大学院)
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