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(税務)≪交通費や通勤手当、非課税はいくらまで?≫ その2 応用編

 さて、今回は「通勤のための交通費や通勤手当」の非課税についての2回目(最終回)です。
 
 
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 前回は次の場合の所得税法上の取り扱いについて説明しました。
 
① 交通機関を利用する人に支給する交通費や通勤手当、所得税法ではいくらまでが非課税とされるのか?
② 自動車(マイカー)や自転車などを使って通勤する人に支給する交通費や通勤手当、非課税限度額は交通機関を利用する場合と同額でいいのか?
③ 自動車(マイカー)で有料道路を使用して通勤する場合、有料道路の使用料も非課税になるのか?
 
 前回の説明をご覧になりたい方は以下の記事をどうぞ!
http://www.ksc-kaikei.com/news/index.cgi?no=85
 
 今回は応用編として、次の点について説明しましょう。
 
④ 非課税限度額を超えて支給する交通費や通勤手当、課税対象とされるのは支給額全体?それとも、限度超過部分だけ?
 
⑤ 通勤距離が2km未満の人に支給する交通費や通勤手当、非課税にできる部分はあるのかな?
 
⑥ 通勤距離が2km以上、徒歩で通っている人に支給する交通費や通勤手当、非課税にできる部分はあるのかな?
 
さらに、
 
⑦「労働保険」、「社会保険」での交通費や通勤手当の取り扱いも以上と同じでいいのかな?
 
⑧「消費税」法上の注意点
 
についても説明しましょう。
 
 
Q7 非課税限度額を超えた交通費や通勤手当を支給する場合、その全額が課税対象になるのでしょうか?
 
 いいえ、全額が課税対象とされるわけではありません。非課税限度額を超える金額だけが課税対象になります。
 
Q8 ところで、通勤距離が片道2km未満で交通機関を利用する人にも交通費や通勤手当を支給しようと思いますが、非課税とされる部分はありますか?
 
 はい、交通機関を利用しているのであれば、通勤距離が2キロメートル未満であっても合理的な運賃の額までは非課税とされています。
 
Q9 では、通勤距離が片道2km未満で交通機関を利用せず、自動車や自転車などの交通用具を利用する人に支給する交通費や通勤手当にも非課税とされる部分はあるのですか?
 
 いいえ、残念ながら、その場合は非課税とされず、全額が課税対象とされます。
 
 その理由として、「通常、2キロメートル未満の通勤の場合の交通用具は軽微なものであり、距離も短いことから、通勤費用をほとんど要しないものと考えられるため」と書かれています。(国税庁のHP
 
 ただし、これには例外があり、「障害者の方などのように自動車通勤が余儀なくされる等の特殊事情がある場合には、交通機関利用者と同様に取り扱い、交通機関を利用した場合の合理的な運賃の額を非課税限度額(自動車通勤による実費の範囲内に限ります。)として差し支えない」とされています。(国税庁 前記のHP)
 

Q10 ところで、通勤距離が片道2km以上を徒歩で通勤する人にも交通費や通勤手当を支給しようと思いますが、非課税限度額はありますか?
 
 それに答える前に、通勤手当が非課税とされる理由について考えてみましょう。
 
 「サラリーマンが負担した通勤費を『実費』として弁償するもの、それが「通勤手当」の基本的な考え方です。そのため、通勤手当の支給を受けても、その金額が実費弁償相当額ならば所得(利益)が発生しません。所得税法上、所得がないところに課税はできないので実費弁償相当額については当然に非課税とされます。これが通勤手当が非課税とされる理由です。
 
 このため、サラリーマン本人が「負担した通勤費」が存在するかどうかが非課税判断の前提となります。すなわち、負担した通勤費がある場合には「非課税」の判定に進みますが、負担した通勤費がない場合には初めから「非課税」になる余地はありません。
 
 設問のように、徒歩で通勤している人には自己負担の通勤費はありません。このため、非課税になる余地はなく、支給された通勤手当の全額が所得(利益)を構成することになります。すなわち、通勤手当の全額が所得税の課税対象とされるのです。
 
 通勤距離にかかわらず徒歩で通勤する人にも会社が交通費や通勤手当を支給することは一向に構いませんが、その場合には所得税の非課税規定を適用することができないのです。源泉徴収の対象額に含めるのを忘れずに。ご注意、ご注意!
 

Q11 交通費や通勤手当、所得税では非課税なので、「労働保険」でも賃金から除外して「雇用保険料」「労災保険料」を計算しても良いですか?また、「健康保険」「厚生年金保険」の標準報酬の算定の際にこれらを除外して計算しても良いですか?
  
 いいえ、残念ながらそうは行きません。非課税というのはあくまで所得税での話です。 労働保険や社会保険にはそもそも非課税という発想(概念)はありません。
 
 このため、労働保険や社会保険では通勤に要した交通費や通勤手当は「全額」が賃金や報酬とされますので、「雇用保険料」「労災保険料」を計算する場合、あるいは「健康保険」「厚生年金保険」の標準報酬を計算する場合にはこれらの交通費や通勤手当も計算に含める必要があります。間違わないようにしまよう!
 
Q12 「消費税」では、給与は「課税対象外」ですが、交通費や通勤手当も課税対象外となるのですか?
  
 いいえ、課税対象とされる部分もあります。
 
 「消費税」では、給与は「課税対象外」とされていますが、交通費や通勤手当については、「通常、必要であると認められる部分」の金額を「課税仕入れ」として仕入税額控除を受けることができます。
 
 そのため、「交通費や通勤手当」は「給与」と分けて仕訳した方が分かりやすいでね。交通費や通勤手当を仕入税額控除の対象とすることにより、消費税を節税することができます。
 
 なお、給与明細書には「交通費や通勤手当」を他の給与と分けて記載することが必要です。
 
 
 ≪交通費や通勤手当、非課税はいくらまで?≫ その2 応用編 でした。
 
 以上のように、「通勤のための交通費や通勤手当」の非課税規定を正しく適用することにより、所得税を節税し、サラリーマンの可処分所得を増加させることができます。また、会社としても交通費や通勤手当のうち、「通常、必要であると認められる部分」の金額を「課税仕入れ」とすることにより、消費税を節税することができます。正しい知識に基づいて、これらを有効に活用したいものです。
  

 さあ、これであなたも「交通費や通勤手当のエキスパート」です!!
 
 
 
(注) 根拠条文等
(所得税法9①5、所得税法施行令20の2、消費税法基本通達11-2-2)
 
 
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 平成22年4月以後の社会保険(雇用保険を含めた広義の社会保険)の保険料率の引上げにより、あなたの負担はいくら増えるのでしょうか? そして、会社負担は?
 
 以下のサイトの「ブログ・コラム」にある次の記事をご覧下さい。
 
2010/2/26 『社会保険料率引上げ』 個人負担と会社負担いくら増加する?
 
 http://www.ksc-kaikei.com/blog/index.cgi?no=60
  
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  TKC全国会会員
  税理士・社会保険労務士・行政書士 溝江 諭 KSC会計事務所
      Tel  011-812-1672 http://www.ksc-kaikei.com/
 
      札幌学院大学 客員教授 税務会計論担当(学部)
                      税務会計論演習担当(大学院)
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